【解説】孫子〜中国最古の兵書〜
こんにちは、青宮ゲミニです。
今回は、中国最古の兵書である「孫子」について解説していきます!
解説
「孫子」十三篇は、中国で最も古い、また最も優れた兵書である。
「孫子」のほかに「呉子」「司馬法」「尉繚子」「李衛公問対」「黄石公三略」「六韜」 の六つを加えたものを「七書」とよび、それらが中国の兵書の代表とされるのであるが、「孫子」は内容から言っても文章から言っても、それらとは格段にすぐれた古典である。
のみならず、それはまたわが国日本にも古くから伝わり、とりわけて戦国期からあとでは極めて広般な影響を及ぼした。我が国の兵法もまた「孫子」を抜きにしては、その発展のあとをたどるとこはできない。
では、この書の古典としての価値はどこにあるだろう。
それが、実戦の体験によってこそ生み出された貴重なその戦術に負うものであることはいうまでもないが、もとよりそれだけのことではない。
何よりも重要なことは、そうした現実的な戦術が深い思想的な裏付けを得て、戦争一般、さらには人生の問題として、広い視野の中に組み込まれていることである。
「兵とは国の大事なり、死生の地、存亡の道、さっせざるべからざるなり。」という重々しい巻頭のことばを見るだけでも、そのことは理解されるだろう。
個別的な戦争技術としての価値もさることながら、それを越え出て、さらに日常処世のうえから人生の在り方の問題にまでわたって深刻な思索を誘うものが、そこにはある。
それは、単なる古い兵書としての歴史的な価値に止まるものではなく、さらに時代や地域の限界をも乗り越えてわれわれに訴えるような広い普遍性を備えているとみられる。
そして、その文章のすぐれることは古典としての必須の要件であろうが、「孫子」はその点でもまた申し分がないのである。
内容
「孫子」の内容は十三篇に分かれる。
第一 計篇 : 戦争の前によく塾慮するべきことを述べたもので全篇の序論にあたる。
第二 作戦篇 : 戦争を始めるにあたっての軍費の問題から動員補充などの計画に及ぶ。
第三 謀攻篇 : 謀虜による攻撃、すなわち戦わずして勝つの要道を述べている。
以上の三篇が、ほぼ総説ともいうべきものである。
第四 形篇 : 攻守の態勢について。
第五 勢篇 : その態勢から発動する軍の勢いについて。
第六 虚実篇 : それをうけて戦争の主導性(実)の把握について述べている。
いづれも戦争の一般的な構造規定というべきものである。そして、さきの三篇の総説と、この三篇の戦争原論ともみるべきものをうけて、第七以下の各論が展開される。すなわち、軍争・九変・行軍・地形・九地などの篇は、いずれも実戦にあたっての有益な細かい配慮の行き届いた戦術で、最後は第十二の火攻め篇すなわち火攻めについての論と、第十三の用間篇すなわちスパイに関する論とによって結ばれるのである。それらの内容には少なからぬ後世の乱れのあることも考えられるが、本来の全篇の組み立てとしては、そこに組織的な意図のあったことがうかがえる。
感想
本当に細かく解説いていて、本当に実戦で学んだ事が記されていることがすごく伝わってきた。また、現代に通ずることがたくさんあり圧倒された。読んだことがない人は是非読んでもらいたい。