「居場所」と心の健康【家庭】(2)
ファーストプレイス(家庭)とセカンドプレイス(学校・職場)
Oldenburg(1999)は家庭を「ファーストプレイス」、職場・学校を「セカンドプレイス」と呼んだ。これらは私たちの生活におけるメインステージなので、個人が家庭や職場・学校への「居場所感」を持ち、個人と環境との調和・適合を実感することは、幸福感や精神的健康度を促進する上で極めて重要である。これまでの研究から「居場所感」に関わる内的・外的要因が多く挙げられているが、ここでは「金曜かきこみTV」の「私の居場所」という掲示板から中学生を中心とするメンバーのコメントを引用し、家庭・学校の居場所性の条件を検討したい。
家庭(ファーストプレイス)
家族関係(社会的居場所)
家庭の居場所感を規定するのは、家族、特に親との関係である。親子が信頼しあっていたり、家族同士の仲がいいと、家庭の居場所感は促進される。
・家族といると一緒に笑ったりいろんな事が隠せずにできる!うちは家族が仲良し から、すごく安心できる。
逆に次のような家族関係の要因は、家族の居場所感を低下させる。「親から信頼されていない」「親との交流が少ない」。
・家にいても親には呆れられてるし、「あんたなんかいらない」って言われるし、だから居場所なんてないと思ってます。
・親があれしなさい、これしなさい、うるさくてたまらない
自室(個人的居場所)
家庭内の居場所として、最も多いのが「自室」であった。自室が居場所感を促進するのは次の理由による。「プライバシー」「布団・ベットがある」「趣味や好きなことに没頭できる」「自分の定位置(勉強机、椅子)がある」。
・自分の部屋です。自分の好きな事をずっとしていられるし、彼氏と電話で話していることも、家族に聞かれなくて済むし。
・「布団の中」は、泣きたい時、イライラした時、怖い時、眠い時、ドキドキする時、好きな人のことを考える時、ナドナド、いろんな時に潜り込む場所。
逆に次の要因は、家族の居場所感の低下させる。「自室がない」「兄弟と共有の部屋」「親や兄弟の侵入」。
・自分の部屋は2人部屋なので1人になれる時は少ないし。
・自分の部屋 落ち着くけど親がよく入ってくる。(涙)
自室以外の個人的居場所
さらに、自室以外に、1人で落ち着けたり、没頭できる空間を家庭的に持つのも、居場所感を高める。「トイレ」「屋上」「ベランダ」「深夜または家族が留守中の居間」「ピアノ」などがある。
・私の居場所は変だと思われるかも知れないけど、ずばりトイレです!!私の家には自分の部屋というものはないので1人っきりになれるからです。だから家族とけんかした時とかは別にしたくなくてもよく行きます。
・「自分の家の屋上」だということに気づきました。「人のいるところ」だと、それが誰であろうとも気を使ってしまうと思いました。春や秋はその屋上がお気に入りの場所で、息詰まった時や色んなことに疲れた時はそこに行っています。
どうだったでしょうか?セカンドプレイスについては「居場所」と心の健康(3)でお会いしましょう!!
https://www.geminikki.tokyo/entry/2019/10/01/061128
リンク貼っておきます!!